病院にはいくつかルールが有ります。その中でも現代を顕著にあらわしているなと感じるものが、90日ルールです。これは主に高齢者に言えることですが、少子高齢社会になり高齢者が増えました。高齢になると医療を必要としやすくなり、病院にかかるだけでなく入院する、という事態にもなりかねません。
しかし医療業界は医師や看護師の慢性的な不足により、1人あたりの労働量というのが多くなっています。人が少なければ入院するベッドがあっても看護しきれないので、ベッド数を制限しなくてはなりません。そんな中大量の高齢者が入院するようなことがあれば高齢者も病院側も大変です。ですので、そもそも入院はしないよう自宅療養を勧めたりもします。さらに入院した高齢者には、90日、つまり3ヶ月以上入院させないようにもします。表向きの理由は、家代わりに利用されることを防ぐためです。1人暮らしで世話をしてくれる人がいない、という理由ではかわいそうではありますが入院を認めるわけにはいかないのです。しかし実際には、早く病院のベッドを空けること、そして高齢者の入院が91日目以降になると、国から病院に支払われる医療報酬が減額になる上検査や投薬にかかる費用も支払われなくなるので、病院にとっては赤字になってしまうのです。病院にも特に私立であれば経営のことを考えなくてはならないので、こうした理由で3ヶ月以上入院するのは難しいでしょう。ただ、人工透析を行っていたり複雑なリハビリテーションを行っているなど、これに該当しない状況もあります。